車載パワーエレクトロニクスの世界

車載機器に利用されているパワーエレクトロニクスの世界をマニアックに説明

800Vシステムの時代が来たのか?

ポルシェ_タイカンが800Vシステム車両として量産開始となりました。
業界内では以前からチラホラ800Vの話は聞いていましたが、
いよいよ本格化したようです。

 

システム構成などは、以下のサイトが詳しいです。

www.afpbb.com

 

 

インバータは、日立AMが開発です。

ニュースリリース:2019年10月18日:日立

 

電池電圧は、800V化されていることは間違いないのですが、
インバータは800V化せずに、400Vぐらいに一段降圧して使っているかなぁと思ったのですが、直接800Vで使用しているようです。

モジュール自体は、いつもの直冷両面モジュールなので見た目にはあまり変化点はないですが、電気的には内部のスイッチング素子の高耐圧化、主端子-ケース間、信号端子の沿面距離の確保など色々と設計課題は多そうです。

やって出来ないことは無いと思いますが、800V化の知見がない状況なので、大変そうだなぁという感想です。(電車等の開発で日立さん内では知見が豊富なのかも・・)

800V電圧だと、電流の低いとき(インバータのオンDuty幅が狭いとき)の印加電圧の制御が難しそうなので、色々とこれから特許が出てくると思います。
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今までと同じDuty幅の分解能で制御していたら2倍の電圧が掛かるので、狭パルスでの制御が難しそう。

 

分解してみたいけど、ちょっと入手は難しそうですね。