車載パワーエレクトロニクスの世界

車載機器に利用されているパワーエレクトロニクスの世界をマニアックに説明

パワエレ研究室 part2

パワエレをしっかりと学べる研究室の続きです。

以下の点、ご注意ください。

 

・当方の独断と偏見で選んでいます。

・番号をつけていますが、思いついた順番です。

(優れている研究室順番ではありませんので、誤解なきよう。)

 

【1】,【2】を記載している前回の記事です。 

 

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パワエレ業界は人材不足!

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パワエレ業界は慢性的な人手不足です。

一昔前は、パワエレを必要とする分野は発電所や変電所、

電車、新幹線、工場用モータ、インバータなど大電力を扱う分野のみでしたが、

今では家庭用エアコンから車載機器などの電力の小さい機器にも

パワエレが必要となっています。

 

もともと、パワエレを専攻する学生が圧倒的に少ないので、

業界の需要に対して、供給量不足です。

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オシロは接地して使用しろ!

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パワエレエンジニアの必需品と言えばオシロスコープです。

当然手足のように使いこなせる必要があります。

 

しかし、今のエンジニアで本当の意味で使いこなせている人は

少ないと感じます。

(当方も帯域500MHzまでのオシロしか使えません・・・)

 

初心者のパワエレエンジニアの中で一番多い誤りが

オシロスコープのAC100V電源のアースを浮かせて使用していることです。

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プルアップ抵抗が10kΩの理由

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制御基板上によく使用されるプルアップ抵抗ですが、

だいたいが10kΩが使用されていると思います。

 

回路設計が少しできるようになった初心者が

よく戸惑うポイントは、なぜ10kΩ何だろうってことです。

 

その理由は、「なんとなく!」です。

実際に設計している設計者が言っているのだから、

間違いありません。

 

そもそも、プルアップ抵抗ってなんぞやという方は、

以下をご確認ください。

プルアップ ‐ 通信用語の基礎知識

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本田 i-MMDのモータ

 i-MMDとは

HONDAが「i-MMD」と呼ばれる2モータのハイブリッドシステムを開発したそうです。

ちょっと、ネットで調べてみたらモータの形状が分かる写真がありました。

いずれも、HONDAのHPに公開されていました。

自ら購入して分解しなくても良くなったので、良い時代になりました。

 

さて、i-MMDの解説はこちら。

i-MMDは、発電用モーターと走行用モーター、ハイブリッド専用エンジンを備える2モーターハイブリッドシステムです。"インテリジェントマルチモードドライブ"の意味で、EVドライブモード、ハイブリッドドライブモード、エンジンドライブモードと呼ばれる3つの走行モードがあります」。

http://www.honda.co.jp/tech-story/engineer/engineer-talk/i-mmd/

 

モータ情報

モータの形状はこちら。

http://www.honda.co.jp/tech-story/engineer/engineer-talk/i-mmd/images/img_cont02.jpg

 

当方は、モータ屋さんとは敵対する関係のインバータ屋さんなので、

あまり詳しくはありませんが。。。

たぶん以下だと思います。(違っていたら申し訳ないです。)

 

・8極対

・IPMSM(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)

・磁石はV字配置。V字磁石用の溝は外周部にかなり近い。

 (ただし、オープンスロットではない)

・巻き線は、分布巻き。相間の絶縁紙あり。

・丸線を使用

 

モータとしては特に変わったものではなく、主流の形状を

ブラッシュアップした形となっています。

HONDAといえば、平角線の集中巻きモータってイメージもありましたが、

今回は丸線です。

 

システムを含めてもっと情報を知りたいかたは、以下をどうぞ

ではでは。

配線の電流は、1sqあたり10A以下で使用!

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配線の選択

パワエレ初心者のエンジニアだと、先輩社員から、

「このインバータの発熱評価をお願い。

配線はその辺にある電線を適当に使って良いから」

なんて形で実験のお仕事を依頼されることもあると思います。

 

さて、このときにどんな電線を選択するでしょうか?

無論、電線が太ければ太いほど許容電流が大きいため

安全に評価できるでしょう。

しかし、10A流れるところに38sq(38m㎡)の電線を使っていれば、

いまいちなエンジニアと思われること間違いなしでしょう。

 

適当に配線を選ぶ際の基準が「1sq(1m㎡)あたり10A」なのです。

もちろん、厳密には選択する配線の絶縁被覆の材質、導体の種類(アルミor銅)、

メッキの有無、使用する際の周囲環境(温度・湿度)、試験の繰り返し性などを

考慮して選択する必要があります。

しかしながら、評価の際は手持ちの在庫から

適当に選ぶことが多いのが実情です。

 

許容電流や電線のイメージをつかむなら下記のサイトが見やすいでしょう。

 

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パワエレエンジニアは、配線を踏むな!

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 学生時代に言われて印象に残っている言葉です。

 

「パワエレエンジニアは、配線を踏むな!」

 

 

当方は、玩具のような電流しか流さない変換機を用いて、

制御理論を研究していたのですが、その時に先輩から言われた言葉です。

 

そのときは「なぜ駄目なんですか?」とは言えず、素直に受け入れました。

今考えると、先輩の真意は以下だったと思います。

 

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